ヤマコウカップ初日特選は実弟、山口富生が勝利し、シリーズを盛り上げた。2日目は準決がメイン。ヤマコウ(山口幸二氏=日刊スポーツ評論家)は9Rの河合佑弥に焦点を当てた。格上の山本伸一を相手にどうレースを組み立てるのか注目する。

ヤマコウは準決9Rの河合佑弥をイチ押し
ヤマコウは準決9Rの河合佑弥をイチ押し

うちのトミちゃん(山口富生)が、初日特選で3連単20万6710円の高配当を演出した。上機嫌で引き揚げてきた富生は「ええか、ハンドル投げは、首をおなかの方にグッと下げるんや」と説明。最後に「オグ(小倉竜二)の方がうまいけどな」と笑いで締めくくった。その隣で、喜び組の一員である川口公太朗が「なるほどー」と大きくうなずいていた。

その検車場の片隅で、一生懸命、自転車を触っている河合佑弥がいた。初日は人気になりながらも、スピードに乗り切らず5着。「シッティング(座って)からのスピードの乗りが悪い」と調整にかなりの時間を割いていた。大学卒業まで野球に取り組み「監督に言われるがままやってて、このままでいいのか? と自問自答している時に競輪に出合った」と言う。「今は、自分のやりたい練習やアドバイスを受けてやりがいがある」河合が、これから飛躍するには、大物選手が後ろについても、自分のレースができるかどうかにかかっている。今の若手自力選手が、伸び悩む原因の1つに、ラインの役割分担がはっきりしないことが挙げられる。平原康多にもそのアドバイスはもらうようで「自分の競走ができるように」と言われているらしい。

9Rは1番車に山本伸一。河合は3番車になるが、後ろ攻めは得策ではない。誘導タイムが上がって抑え先行が苦しい中で、河合が前を取って山本をカマすレースができれば面白い。(日刊スポーツ評論家)