郡司浩平の成長が著しい。6月の高松宮記念杯では、平原康多に位置取りで負け続けたが(枠が外の不利もあった)、今節は好勝負を演じている。

準決の平原は小林泰正の番手だったので参考にならないが、初日のレースにはうならされた。単騎ながら自ら動き、平原を合わせて、松本貴治-松浦悠士-清水裕友を迎え入れた。受け身の位置取りではなく、自ら動いて平原に勝ったところを評価したい。

ヤマコウが決勝で本命に推す新田祐大
ヤマコウが決勝で本命に推す新田祐大

では、決勝はどう動くのか。松浦にそのことを聞くと「脇本(雄太)さんがいない分、レースに隙ができるのでチャンス」と前向きに捉えていたが、松浦-清水-岩津はラインとして車番が悪く、一番外枠になったのは不利な材料だ。

有利になったのが新田祐大。前を取ると、後ろから松浦が押さえにくる。位置取り確かな郡司が中国ラインをたたいて、新田の出番だ。今開催、新田は久しぶりにファンの前で走れることを非常に喜んでいた。地元で見せ場を作るためにも最終ホームでカマす。

佐藤慎太郎は「新田の踏みだしはすごい。キュキュと自転車が進んでいった。新田が優勝を重ねる中で、僕はおこぼれをもらうだけでいい」という心境だけに、地元勢が連を独占して、ハッピーエンドで終わるのではないだろうか。(日刊スポーツ評論家)