今のご時世、人と接することが罪になる。小学生のころ、水ぼうそうで1週間学校を休んだことがある。友達に会えず、家の中で悶々と過ごしていた。最初は家族の誰もが優しく介抱してくれたが、終盤は「早く学校行ってくれ」という雰囲気に。学校へ行くと、久しぶりに会う友達はとても楽しかった。早く自由に話がしたい。コーヒーを飲みながら選手とバカ話がしたい、そう思った富山G3の前検だった。

7車立ての競輪もだいぶ見慣れて、違和感なく見られるようになった。しかし、何かあっさりしている。福井G3も脇本雄太が優勝したが、レースの奥深さが物足りない。奥が深いな…と思ったのが並びだったのは皮肉だ。人それぞれの考え方があってラインが形成される。今回、福井の当事者だった松岡健介は「脇本の番手で優勝できなかったことで、最初からやり直し。また脇本の番手を回れるように頑張るだけ」と淡々と語ってくれた。

健介の後ろは南修二が回る。稲垣裕之には村上博幸。今回の近畿の並びは2分で決まった。そこに対して、浅井康太が先頭の中部勢がどう戦うか。浅井は近況、レースの流れに乗り切れてないのが気になる。

ヤマコウは浅井康太マークの吉田敏洋をピックアップ
ヤマコウは浅井康太マークの吉田敏洋をピックアップ

7車立てでも残り2周からレースは動く。誘導員のスピードや前受けの選手が突っ張ることも…というリスクを考えると2周で切っておきたいものらしい。そう考えると、本格先行不在のレースなので、前を取った選手がかまして先行するだろう。それは浅井だ。番手の吉田敏洋に展開が向く。(日刊スポーツ評論家)