山田英明、庸平兄弟が決勝に乗った。兄の英明はG1の常連だが、弟はそうではない。数少ないチャンスを庸平はよくものにした。兄弟連係はありそうでなかなかないものだ。悔いのない走りをして、決勝を盛り上げてほしい。

ヤマコウ(左)は激戦の決勝で新田祐大を中心に推した
ヤマコウ(左)は激戦の決勝で新田祐大を中心に推した

決勝は、連日紙面をにぎわせた面々が名を連ねている。脇本雄太、新田祐大の対決も注目だが、松浦悠士、英明、単騎の郡司浩平も魅力いっぱいだ。誰を本命にしてもおかしくないメンバーの中で、新田を中心に推す。

車番が悪いのが不安材料だが、かえって前受けに絞ってレースを進められる。脇本は連日、前受けから引いてカマすレースをしていない。1番車に入ったものの、内に包まれて終わることを懸念して、後ろ攻めを考えているのではないか。2番車の英明は初手からの後ろ攻めは避け、できるだけ前にいたい。

松浦は外枠なので評価を下げた。昨年のGPもそうだったが、前に新田がいて、後ろの脇本を警戒すると、ダッシュがある新田をたたくタイミングは難しい。近況の新田は先行勝負も辞さない組み立てなので、英明や松浦、郡司も新田をたたけず、お見合いすることもありそうだ。そうなると、新田が脇本の番手にはまっている展開も考えたい。

新田は「(2月の)世界選手権が終わって考える時間ができたので、他の選手のレースをじっくり見た。今のレース形態を考えたら、先行もするようになった」と言う。仕掛けが早くなったことが、追い風になるかもしれない。(日刊スポーツ評論家)