松浦悠士がGP組としてただ1人出場する。本来なら年末に向けて激しいトレーニングをしたいだろう。しかし、松浦は出場を選択した。

彼はどんな過密スケジュールでも淡々とこなしている。松浦クラスになると仕事を選んでもいいと思うが「僕は基本的に走らせてもらっているという意識でいる。来てほしいから呼ばれると思うので、その期待に応えたい。休むことは、けがなど特別な事情以外ではない」と覚悟を決めている姿勢は立派だ。


山口幸二氏(左)の取材を受ける松浦悠士
山口幸二氏(左)の取材を受ける松浦悠士

昨年に続いて今年もGPまで休まず走る。「休んで練習することも大事だが、レースでしかできないこともある。これほど豪華なメンバーで戦うことはプラスになる」と実戦の大切さを語る。確かにヨコの動きなど、練習ではできないことを実戦で経験を積んでいる。

競輪祭の準決失格で連続決勝進出記録が「23」で途絶えた。しかし、ここまで頑張ってきた松浦を、私は責める気持ちにはなれない。

内側に浅井康太と小倉竜二、長島大介がいたのは不運だった。「姿は見えないが、誰かがいる気配はあった。内に3車いるのは分からなかった…」と振り返る。勝負は紙一重。落車がなければセーフだし、あればアウト。競輪とは不条理なものだ。

特選12Rは岩本俊介との先行争いになりそうだ。中川誠一郎は本来の調子にはほど遠いし、単騎勢は位置取り次第となる。松浦にとって、GPへ向けての大事な1戦。まずはレースの内容に注目したい。(日刊スポーツ評論家・山口幸二)

◆ヤマコウの予想印

◎松浦悠士 ○小倉竜二 ▲鈴木裕 ☆浅井康太 △古性優作