2日目の豊橋は強風が吹き荒れた。ゴールして半周でスピードが弱まってしまうので、そのまま敢闘門に入れるのとちゃうか? と思うほどだった。それでも深谷知広は2周先行して上がり12秒8。「イメージは12秒3なんすけどね~。ショックですわ」と冗談を飛ばすが、自力で勝つというこだわりは強く感じた。

準決3つの中で一番難解なのが11Rだ。浅井康太に山田英明、岡崎智哉にラインができる。武田豊樹は単騎なので、切れ目から自在に進めるだろう。では、先行するのはどのラインになるのか。浅井が1番車、英明が2番車なので、初手は浅井が有利だ。前受けと考えると、8番車の岡崎が動き、英明が動いて先行態勢に入る。そこを浅井がカマしにいくかどうか。2日目は「パワーマックスで負荷をかけて、全力でもがいているようだった」と英明が言うように、どの選手も向かい風に苦しんだ。その条件でも2予は、武田を連れて先行する気満々の金子哲大をホームでたたいて主導権を握った。前回の小倉F1決勝は2着に敗れたが、先行ラインの次の位置を取ったように、経験をよく生かしていると思った。

ヤマコウは難解な準決11Rで山田英明に期待した
ヤマコウは難解な準決11Rで山田英明に期待した

一流の条件は「同じ失敗を繰り返さない」ことだと思う。腹をくくって先行すれば、後は佐藤慎太郎が全力でまくるラインを止めに行くはずだ。後方に置かれた浅井が勝つ条件とは、強風の豊橋バンクでどこまで仕掛けを我慢できるかにかかっている。番手が地元の吉田敏洋なので難しい選択になるのではないか。4角から慎太郎との勝負になるとみた。(日刊スポーツ評論家)