大垣G3・2日目は準決を巡る2予7個レースが行われる。ヤマコウ(山口幸二氏=日刊スポーツ評論家)はその中から8Rの上田尭弥をチョイス。古性優作、鈴木裕ら難敵がそろう中、菅原晃のアシストで好位確保からの自力決着とにらんだ。最終12Rは特選でしんがり負けの郡司浩平が巻き返す。

ヤマコウは上田尭弥を抜てき
ヤマコウは上田尭弥を抜てき

初日特選は、北津留翼のまくりが決まった。平原康多が先行する吉田拓矢を見捨てなかったから、混戦になって展開が向いた。「隙が無いので流れに乗るのは大変ですが、レースを見極めて走りたい」と北津留は前検日インタビューで答えたが、CS解説の山田裕仁は「本人が隙だらけなので大変でしょうね」とコメントしたのは名言だった。それなのに北津留が1着に来るのだから競輪は奥が深い。

1予9Rの上田尭弥の走りが印象に残った。恩田淳平、小原周祐、伊藤成紀を相手に受けて立ち、小原が押さえに来たところを迷わず全部引いた。そして、自分の航続距離を計算して仕掛けて1着。今の時代に合った先行選手だと改めて思った。彼が飛躍するきっかけは何だったのか聞いた。「S級に上がっても勝てなくて、周りからは『先行し続けたら勝てるようになる』と言われた。昨年7月の小倉F1できっかけをつかんだ」と言う。確かにこの開催を境目に成績が急上昇している。「大きめのフレームがしっくりするようになった」のが原因だが、今節はさらに手応えをつかんでいる。「前回の小倉で、もっと大きなフレームにした。練習期間がたくさん取れたので手応えがいい」と自信あり気だった。

メンバーを見せると「1予みたいな走りは通用しないと思うので、考えて主導権を取りたい」と答えた。2番車に菅原晃がいるだけにいい位置が取れる。今の彼なら、古性優作相手に金星も十分可能だと思う。

(日刊スポーツ評論家)