2日目特選11Rの浅井康太のまくりは見事だった。多分、自分の思った展開にはならなかったはずだ。想定では、打鐘前に松浦悠士が来て、3番手を取る予定だった。しかし、たたいたはずの菅田壱道にもう1度来られて、最終ホーム8番手。そこからまくって1着。自力で結果が出ていない浅井にとって、大きな1勝だっただろう。

ヤマコウが注目する守沢太志
ヤマコウが注目する守沢太志

3日目は2予が5個レース行われる。確実に準決に行けるのは2着まで。通常の緩い勝ち上がりとは違うので、普段の積み重ねが勝機を分ける。そういう意味では11Rの高橋晋也と守沢太志は有利だ。皿屋豊の脚力、鈴木裕の自在性なども魅力的に映るが「まくろうかな、さばこうかな」と、その時の感性で動くより「自分は先行がしたい」と思って戦う方が有利だろう。

今年に入ってからの守沢の走りには責任感がある。昨年GPを経験して、赤いパンツをはくことがプラスに働いている。さばきが粗い面が足を引っ張っていたが、その積み重ねが生きている。高橋と連係を外すこともあるが、全て不慮の要素が働いているので、カマシに離れたりすることはないだろう。

高橋が前を取れば、中団皿屋、後ろが鈴木になり、先行しやすくなる。逆に前を取れなければ、無駄足を使っての主導権となる可能性が高いので、確実に攻めるなら前受けだろう。高橋にアドバイスすることも守沢の大事な仕事だ。こういった選手が活躍することで競輪がさらに面白くなる。(日刊スポーツ評論家)