富山G3が始まる。S班不在は寂しいが、地元地区の選手が頑張って盛り上げてほしい。

初日は特選から黒沢征治を取り上げる。函館で行われたサマーナイトフェスティバルは決勝には乗れなかったが、力を出し切るレースで存在感を示した。惜しかったのは最終日の特秀。町田太我との力比べを見たかった。しかし、黒沢は前受けして町田を突っ張り主導権を取った。町田は1度引いて巻き返しを図ろうとするが、黒沢はそのまま先行して9着。番手の吉田拓矢が郡司浩平に合わせてまくって1着。諸橋愛とのワンツーだった。

ヤマコウは黒沢征治に時代に合ったレースを期待した
ヤマコウは黒沢征治に時代に合ったレースを期待した

黒沢は町田との力比べというよりも、関東勢の引き出し役で終わった。突っ張った後にもう1度町田を見て、合わせて仕掛けられると良かった。それができたら先行選手としての意地を感じることができ、負けても収穫があった。黒沢も29歳と決して若くない。今、貪欲にいかないと、脚力は年々落ちていく。そういった意味で黒沢に残された時間は長くないから、1戦1戦を大切に戦わなくてはいけない。

ラインができる特選は、竹内雄作を相手に2周半先行争いするのではなく、今の時代に合った先行選手として戦い、きちんと結果を残すことを期待する。(日刊スポーツ評論家)