豊橋G3が幕を開ける。初日メインの特選12Rはヤマコウ(山口幸二氏=日刊スポーツ評論家)、本紙村上ともに、本命は郡司浩平で一致した。ヤマコウは自力型が連結する清水裕友ラインに自力で勝ってこそ、今後の道が開けるとアドバイスを送った。なお、特選にシードされていた山口拳矢(25=岐阜)は病気のため、前検当日に欠場した。

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豊橋G3が始まる。先日の大宮G3は初日から埼玉勢が4車そろい、吉田拓矢が単騎で走るほど層が厚かった。決勝も埼玉4車で優勝は平原康多。一方の豊橋。地元地区からは坂口晃輔が辛うじて6番車で特選に名を連ねているが、(山口)拳矢が欠場しての繰り上がり。寂しい、実に寂しい。

その昔、豊橋には名人クラスのやじを送るお客さんがいた。走る前から「おい○○、あいつはヨコが弱いから粘ったれ」とか「おまえ、この前しょーもないレースしとったな」と、言われたくないことをズケズケ言う。現役時代、豊橋に来たらまず顔見せでそのファンを確認した。いたらピリッとするし、いなければホッとした。ある時、深谷知広の後ろを守り切ったレースがあって、その時「ヤマコウ、ようやった!」と褒められた。あれはうれしかった。今は全く見ないが、もう競輪やめたのかな…。

今場所は郡司浩平を中心に番組は組まれるだろう。そのお客さんは郡司に対してどんなふうにやじるだろう。「郡司の前を走る選手はかわいそうやのう。たまにはおまえが勝たせてみーや!」。嫌みが多いそのやじ師はそう言うと思う。こんな声は郡司も聞きたくないだろうが、必要なことでもある。

根田空史の番手で優勝した和歌山G3は、踏めば踏むほど自転車が進んでいた。好調なのは間違いない。今場所の郡司には、ただの優勝ではなく自力で制することを求めたい。Gクラスのレースを自力で優勝することで、ラインを組む先頭の選手に緊張感を与えることができる。今の競輪は、層が厚く2段駆けできるラインが有利なので、今場所は最有力ライバルの清水裕友を相手に自力で勝つことが今後につながる。(日刊スポーツ評論家)