DMRは、残り3周から主導権を争う動きが始まった。関東、北日本勢ともに前受けから突っ張りたかったので、スタートを取りたかった。平原康多、新田祐大がSを取りにいく。しかし、ダッシュ力が全く違ったので北日本が前受けした。残り2周の誘導待避線まで攻防が続いた。まるでボートレースを見ているような、待避線を目掛けてのダッシュ戦。そして、番手まくり。競輪がルールとともに変わり、番手まくりの終着駅のようなレースだった。自分が勝つために先行するのに、ラインを勝たせるための先行が多過ぎる。競輪の魅力をもう1度考えてほしい。

ヤマコウは逃げ切って連勝の北津留翼に注目した
ヤマコウは逃げ切って連勝の北津留翼に注目した

地元代表の北津留翼は初戦の失敗を繰り返さなかったので、連勝で準決まで勝ち上がれた。北津留は前受けしてこそ魅力が出るのに、初戦は番手渡部哲男が1番車をもらいながら後ろ攻めになったことが敗因だ。その後は2走とも先行するレース。抜群のトップスピードに航続距離がプラスされて、初心者のファンにも分かりやすい。

準決12Rもラインの園田匠が1番車をもらったので、坂井洋を警戒すれば先行できる。2予A9Rでイン粘りした坂井は、同じ自力選手として北津留の力を認めた証拠だ。小倉勢全員で決勝に乗り、競輪祭を盛り上げてほしい。(日刊スポーツ評論家)