初日の松阪バンクは風が強く、先行選手には厳しいコンディションだったが、近況充実している野口裕史には全く問題なかったようで、1予4Rを逃げ切った。
先日の青森G2共同通信社杯最終日、5Rで先行して逃げ切ったタイムは11秒5。特別いいというわけではない。しかし、残り2周から1周の野口のタイムが23秒8。9Rで北井佑季と犬伏湧也が先行争いしたタイムは24秒2。レースタイムなので正確な個人の記録ではないが、野口の強さが際立った。
今年前半は股ずれに悩まされ、少しでも負担がないようにサドルを少し上げていた。それで成績が安定していなかったが、傷が癒えてきた8月の松戸G3初日、連係した山崎芳仁にレース後に「サドルが高い」とアドバイスされ、下げると前のように腰から踏み込む感触がよみがえってきた。
手応えをつかんだ次の平塚F1は「ラスト2周から1周のタイムを24秒台で入って、上がりタイムをコントロールする」ことを課題に走った。準決で、番手が離れるアクシデントがあり決勝進出は逃したが、想定通りのタイムで上がれたことで、自信を持って青森G2に挑めたらしい。それがシリーズ2勝につながった。
青森が終わった後、野口たちが作った「走植動物部」のメンバーの松本貴治と、栃木と木更津に観葉植物探しの旅に出て「松本はいい植物を見つけて、値が張るものを買ってました」とリフレッシュできた。
2予6Rは同型の竹内雄作、スピードで勝る岩谷拓磨がいて激しくレースが動きそうだが、出来は野口が勝る。(日刊スポーツ評論家)