2予8Rを逃げて2着に残った山田諒が会見場に現れた。

記者の質問にテンションマックスで話した後、私が「諒くん、良かったなー」と声をかけると「後ろ攻めは想定外で、何も考えてなかったです。前に出て『来るなよ、来るなよ』と。後ろを見て『うわっ、来たー!』と思って駆けたら『ガシャーン(落車の音)と聞こえて、おーっ』と思ったら2着に残りました」と、終始ほわっとした受け答え。

「明日も頑張ります!」と締めくくった諒くんは、どこかの元監督、ミスターのように見えた。


ヤマコウが準決10Rで期待する吉田有希
ヤマコウが準決10Rで期待する吉田有希

2日目に印象に残ったのは、諒くんだけではない。2予7Rを逃げ切った吉田有希が深々と頭を下げて会見場に姿を見せたところから、なぜかクスッと笑えた。

「才迫(開)さんが押さえにきて、誰か付いていると思ったら誰も来ない。『あれっ?』と思ったら菅田(壱道)さんが現れて、あそこで引いたら自分の着がないので無理やりこじ開けました。木暮(安由)さんに申し訳なかった」と振り返った。

終始にこやかな表情だったが「成績が良くないと、兄貴(拓矢)に心配させるので頑張らないと。練習もいろいろ考えてくれて、今の自分があるのは兄貴のおかげです」と真面目な顔で締めくくった。

準決10Rは中部ラインが本線になるが、渡辺豪大がレースをかき乱すので、一筋縄で収まりそうもない。混戦を苦にしない吉田の出番は十分ある。面白いレースをして盛り上げてほしい。(日刊スポーツ評論家)


準決10Rのヤマコウの印
準決10Rのヤマコウの印