2日目に取り上げた2予8Rの町田太我は、山本勝利に突っ張られて苦しい展開となったが、力でねじ伏せた。

町田はもちろん、後ろの選手も苦しいようで、番手の荒井崇博は息を切らしながら「全く楽じゃない」と絡んできた。そこに坂本健太郎も加わって、2周からもがくベテランの大変さを聞いた。ただ、その時の荒井は「それを差す俺はすごいだろ」と言う顔にしか見えなかった。


藤井侑吾(右)を取材するヤマコウ
藤井侑吾(右)を取材するヤマコウ

準決10Rは名前で佐藤慎太郎が人気になるだろうが、先頭を走る自力選手を比較すると、藤井侑吾が良く見える。もがく距離も長い。

初日は片岡迪之がたたいたところをすかさずカマして主導権。「1人だったのでペースで仕掛けました」と余裕十分の走りだった。2予7Rは伊藤旭にフタをされ、インで粘ることなく7番手まで引いてホームカマシ。「出足で前団をのみ込めると思った」ほどの感触だった。

ヨコができずに内に詰まって負けるより、自分の特性を知っている。場数を踏むことは大切だ。

藤井は「地元記念なので緊張するけど、出来は悪くない」と自己分析している。黒沢征治、松本貴治とは初対戦になるそうだ。藤井と変わらず先行意欲が強いのは、慎太郎が付く黒沢だろう。藤井が前受けしたら中団が黒沢、後ろ攻めが松本になり、最後は藤井が黒沢をたたく展開になる。安易に前受けするのではなく、有利な車番を生かして先行すれば、今の脚力なら十分決勝に乗れる。

中部の数少ない先行選手なので、ここで自信をつけて全国に羽ばたいてほしい。(日刊スポーツ評論家)

※弟の山口富生が出走しているため準決10Rのヤマコウ予想はありません。