「植木2世」とも言われた第113期やまと(現ボートレーサー養成所)チャンプが、いよいよ覚醒モードに入ってきた。若松のフレッシュルーキー中田達也(24=福岡)だ。昨年6月、住之江一般戦でデビュー初優勝。2期連続A級をキープし、5月以降は7点近い勝率をマーク。待望のA1昇格も見えてきた。

「植木2世」とも呼ばれる中田達也
「植木2世」とも呼ばれる中田達也

 決して順風満帆ではなかった。艇王・植木通彦氏と同じ小倉商の後輩で、リーグ戦優勝5度、7・69の最高勝率を引っさげて13年11月の芦屋で華々しくデビュー。いきなり予選を突破した。14年から準地元スター候補に選ばれ、とんとん拍子かと思われたが、F2など事故に苦しみ、勝率も下降。16年にはスター候補のポジションは仲谷颯仁に奪われた。「実力の世界ですから。でも、変わらなきゃいけないと感じました」。塩田北斗に弟子入りし、旋回に磨きをかけて勝率を上げ、1年後に再びフレッシュルーキーに返り咲いた。

 昨年5月若松GW戦では、篠崎元志、岡崎恭裕、峰竜太ら豪華メンバーの中、初優出を果たし、自信をつけた。また、ターンだけでなく、直線の走りを磨いた。先輩の西山貴浩から「直線の走りで勝率が上がる」と言われ、「前にプレッシャーを与える位置」を考えるようになった。師匠や、西山、岡崎、新田雄史らの道中の走りを見て研究、吸収しながらレース内容を工夫してきた。

 後輩の羽野直也や仲谷は先にG1ウイナーになったが、「慌てても駄目なので、自分らしくいきます」。A1昇格、プレミアムG1ヤングダービー出場へ、目覚めた大器の走りに期待したい。

 ◆中田達也(なかた・たつや)1993年(平5)8月30日、福岡県生まれ。趣味は釣り。169センチ、53キロ。血液型A。