北川幸典が20日の尼崎で優勝し、史上22人目の全場制覇を達成した。東海地区では徳増秀樹、服部幸男、重野哲之、赤岩善生が次々と全場制覇を飾るなど、大いに話題を集めている。

18年7月20日、24場制覇を達成した北川幸典(撮影・北條直治)
18年7月20日、24場制覇を達成した北川幸典(撮影・北條直治)

 ボート場は全国に24場。当然ながら24回、優勝しなければ全場制覇にはたどり着かない。ボート場によって調整方法、スタートの見え方、レーススタイルを変える必要がある。ましてエンジン相場が活躍の大きな鍵を握る今、抽選運が常にいいとも限らない。先日、蒲郡ボートでトークショーを行った赤岩は、全場制覇の重みについて「服部(幸男)さんからも『全場制覇はちょっと価値が違うぞ』と言われた。5000番台の選手がいる中で、これまでに2桁の人しか達成していない。うれしいです」と喜びを表現した。

 赤岩は自身の選手生活を振り返り「自分はスピードがあるわけではない。人がやらないことをやらないと勝てない。それが整備だった。本当は整備は大嫌いだけど、デビュー戦からやっていた」と話す。着眼点の良さと、それを続ける忍耐力。赤岩はもちろん、22人全てが歩み、武器にしてきた。心から拍手を送れる快挙には間違いない。

 ちなみに、競輪の全場制覇についてJKAの広報課に問い合わせたところ、確認が難しいとのこと。無理もない。ボートとはレース場の数、選手数、グレード制も全く違う。1つだけ確認できたのは、神山雄一郎ですら、全場制覇を達成していないこと。またJRAでは、全場重賞制覇達成の騎手は5人しかいない。こちらも偉大な記録であることは間違いない。

 ファンなら全公営競技場に足を運ぶ、全場制覇も楽しみの1つ。個人的には平和島、江戸川、宇都宮、取手…。まだまだ“取り残し”がいっぱい。いつの日か成し遂げたいものだ。