競輪界で初の試みだった6日間のナイターG1小倉競輪祭が25日に幕を閉じた。肝心の売り上げは目標の100億円を上回る約106億円を記録。いまひとつの滑り出しだった(約12億7000万円)初日終了後は、関係者からも「せめて90億円にいってくれれば」という切実な話も出ていた。しかし3連休だった後半3日間の売り上げが素晴らしく、序盤の劣勢から一転して目標達成となった。

G1小倉競輪祭 11Rを制しガッツポーズする梅川風子(2018年11月22日、撮影・菊川光一)
G1小倉競輪祭 11Rを制しガッツポーズする梅川風子(2018年11月22日、撮影・菊川光一)

手探り状態で行われたため、課題もあった。まず前半3日間で行われたガールズGPトライアルは、梅川風子がグループBで優勝して、逆転GP枠をゲットするドラマもあり盛り上がったが、3日目の9、10Rに組み込まれたガールズの敗者戦の置き場は疑問が残った。

8Rまで競輪祭のトライアル2走目が行われて、売り上げも上り調子だったが、8Rの売り上げ約1億8000万円からガールズ9Rは約6000万円と3分の1まで落ち込んだ。これは明らかに多くのファンが離れたことを物語っている。ふだんでもガールズ敗者戦は前半戦に組み込まれるのだから、いつも通り前半(1、2Rか5、6Rあたり)に置いた方がいい。

もうひとつはTRの番組。競輪祭はKEIRINグランプリ出場が確定する特別なレースだ。2走着順で決まるポイント制は面白かったが、ある地域に偏った番組は公平感に欠いた。日刊スポーツ評論家の中野浩一氏が唱えるように、こういう時こそ自動番組が必要だ。予選1走目は手動番組でもいいが、勝負がかかる2走目こそ自動番組に運命を委ねる方が、選手も納得感があるはずだ。

いずれにせよ成功に終わったことは競輪界にとって久々の明るいニュース。開催を実現した施行者には心から拍手を送りたい。来年も続くナイター競輪祭。さらなる発展に期待したい。