年の瀬も迫り公営競技も年末のビッグイベントに沸いている。中央競馬の有馬記念は3歳馬のブラストワンピースがG1初制覇。モーターボートの1億円バトル、住之江グランプリは峰竜太が初優勝した。

競輪界では、30日に静岡でKEIRINグランプリ2018(GP)が行われる。今年、常に話題の中心にいた脇本雄太が初のGPで頂点に立つと期待する。これまで常に先頭で戦いラインからG1ウイナーを誕生させてきたが今年は超一流の活躍だった。G1では全日本選抜で決勝を逃した以外は日本選手権から競輪祭まで5大会連続で決勝に進みオールスターと寛仁親王牌で2回優勝。先行日本一の称号を不動のものにした。

「スピードだけでG1を勝てるレベル」と評された脇本雄太
「スピードだけでG1を勝てるレベル」と評された脇本雄太

20年の東京オリンピック開催が決まり、メダル獲得を目指して競輪から競技に軸足をシフトしてから脇本新時代の扉が開いた。フランスから招いたブノワ・ヘッドコーチの指導のもと潜在能力がさらに磨かれた。今の脇本を評したある超一流選手の言葉が印象的だった。「脇本はスピードだけの選手だったが、そのスピードだけでG1を勝てるレベルのものを身につけた」。オールラウンダーの代表格の平原康多が目の色を変えて脇本対策に打ち込む姿を見ると、それもうなずける。

競技でも17年12月のチリ大会に続き今年10月のフランス大会で2回目のワールドカップ(W杯)ケイリン優勝。東京でのメダル獲得が夢ではなくなったことでナショナルチーム全体も活気づき、小林優香も12月ドイツW杯ケイリンで女子では初めての銅メダルを獲得した。

来年、脇本はさらに競技に集中するため、競輪で走る機会は少なくなる。静岡GPでの勇姿を目に焼き付けておきたいし、最後は頂点に立って、笑顔を見せてもらいたい。