辻栄蔵(42=広島)が堂々のイン逃げを決めて、12年7月徳山周年以来のG1優勝を決めた。通算G1優勝は7回目。2着には武田光史、3着には新田雄史が入った。

 最終日の水面は台風が接近してるとは思えないほどの穏やかなコンディション。水面もそうだが、機力もスタートも全てが味方になった。「展示から握り込みの反応がすごく良かったし、出足は完璧な状態でした」。全速でコンマ11の踏み込みを決めると、他艇に一切の隙を与えることなく突き放した。「久々のG1優勝で、うれしいのと、ほっとした気持ちがありますね」と胸をなで下ろした。

 今回の優勝で賞金ランクは13位に浮上。3年連続のSGグランプリ(12月19日~、住之江)出場が射程圏に入った。「自分らしく、自分のターンができれば勝てることが分かった。SGでも一般戦でも、立ち位置を変えずに頑張っていこうと思います」。今後への意気込みは、いかにも辻らしい自然体のものだった。【工藤浩伸】