下関ボート「開設63周年記念G1競帝王決定戦」は明日26日から10月1日まで行われる。下関では初のナイターG1開催。地元からはレジェンド・今村豊を始め、SG覇者の白井英治、寺田祥が戦線をリード。今年SGを連覇した石野貴之を筆頭に、篠崎元志、菊地孝平、井口佳典、茅原悠紀ら豪華メンバーの挑戦を受けて立つ。

 下関では、まさに「レジェンド」の名にふさわしい活躍を見せてきた。今村豊自身が「稼がせてもらってます」というように、G1・8回を含め、合計37回優勝と、抜群の実績を残している。

 今年8月のお盆開催では、初めての下関ナイターを体験した。走る前は「明るくてきれいですね。ただ、見る分にはいいけど、水面に入ると暗くて、波が見えにくい。苦労しそう」と慎重な姿勢だったが、レースは初日からトップスタートを連発。まくり、まくり差しなど3日目まで4勝、2着1回の大活躍。そのままVロードを突っ走るかに見えた4日目に痛恨のスリットオーバー。「入っていると確信してスタートは全速。ナイターの今村豊はないな!」と振り返ったが、その後も5、2、2着とまとめたのはさすがだ。

 5月に下関場内でG1マスターズの連覇と24場制覇の報告会が開かれた。「若い時はグランプリを目標に走っていたけど、年を取ると与えられた次のレースを一生懸命に走って、ファンの期待に応えたい。たとえ6着でもゴールするまで前を抜く姿勢を見せたい」と、ベテランらしい振る舞いでファンの声援を浴びた。

 「若い人がどんどん出てきて欲しい」という今村にとって、弟子の白井英治や若松でSG初制覇を決めた寺田祥の活躍が刺激にならないわけがない。下関チャレンジカップの出場はフライングでかなわないが、周年はその分までいぶし銀のさばきを見せつける。

 ◆今村豊(いまむら・ゆたか)1961年(昭36)6月22日、山口県生まれ。81年5月、48期生として徳山でデビューし、1走目で初勝利。初優勝は82年4月の蒲郡。G1は82年丸亀周年で初優勝し通算48回優勝。SGは84年浜名湖オールスターで初制覇し、通算7回優勝。17年4月に芦屋で優勝し24場制覇を達成。同期は鵜飼菜穂子ら。162センチ、50キロ、血液型A。