歴代最強女子の誕生だ! 山川美由紀(51=香川)が、インから先マイし、豪快に逃げた。レディースチャンピオン最多となる4度目の優勝を決めた。同時に自身が持つ最年長優勝記録も更新した。この優勝で女子賞金ランクもトップに浮上。2着は寺田千恵、3着は広中智紗衣が入った。

 記録ずくめの戴冠だ。今大会歴代最多の4度目V、そして最年長Vを同時に達成した。ピットに引き揚げると、仲間たちの祝福に笑顔で応えた。

 過去3回の優勝は全てまくり勝ち。優勝戦1号艇だった07年の徳山で3着に敗れた苦い記憶がある。そんな話は過去のもの。進化し続ける女王は、コンマ06のトップスタートで他を圧倒した。1Mは「大失敗」と話すように、ターンが流れて寺田千恵の差しを許した。それでも強烈なパワーで寺田を押さえ込んだ。

 コンビを組んだ11号機は複勝率28・3%と、下から4番目に低い数字。それでも百戦錬磨のベテランに、焦りはなかった。「前検日はそのまま」。ペラの形に違和感がないことを確認すると、レースに集中した。

 初日はいきなり2、1号艇と好枠での登場。「ここで頑張らないと、続かないよね」。シリーズの流れを決めるターニングポイントが、いきなり訪れるとそこに全精力を傾けた。結果は連勝。勝負強さを持続したまま頂点に上り詰めた。

 2日目にピストンを交換。初日連勝でも、ちゅうちょなく整備する判断は、経験が全てだ。「整備士さんと相談して、ばくちをしました。駄目なら仕方ないと。自信はありましたけどね」。部品を換えた11号機は日を追うごとに力強さが増し、優勝に結びついた。

 判断力、流れを呼び込む集中力。ベテランの底力をまざまざと見せつけた。この勢い、どうやら年末まで衰えることはなさそうだ。【古村亮】

 ◆山川美由紀(やまかわ・みゆき)1966年(昭41)10月24日、香川県生まれ。85年11月、第57期生として鳴門でデビュー。初優勝は89年7月三国。G1優勝は99年2月鳴門四国地区選をはじめ4回、通算優勝は78回。同期には亀本勇樹、長岡茂一、吉田隆義、小畑実成ら。153センチ、47キロ。血液型A。