明日25日から30日まで児島ボートで開設66周年記念「G1児島キングカップ」が行われる。岡山県倉敷市出身の吉田拡郎のインタビューをお届けする。茅原悠紀がフライング欠場となる中、吉田は地元のエース格として、悲願の地元G1初Vを宣言した。【取材・構成=奈島宏樹】

-近況の調子はどうですか?

吉田 悪くはないと思いますよ。そこそこ。まあ、いいエンジンを引けているなと思います。SGに出ても、まずまずかな。でも、自分らしく攻めるレースはどうかな。ちょっとリスクを負わないというか、着を拾うような部分もありますね。もどかしいというか。もちろん、フライングは絶対にしては駄目ですが、スタートを行ける部分では行かないといけない。

-自身のレース内容に少し不満はありますか?

吉田 夏に入って、攻めることを意識しすぎた部分もある。考えてしまったかもしれない。そこそこの成績を収められているけど、もっと上の成績をつかみたいと思います。

-夏場の調整で工夫されていることは何かありますか?

吉田 夏はエンジンにパワーがないことが多い。とにかくエンジン抽選に命懸けですよ(笑い)。今年はエンジンに恵まれてます。6月のグラチャン(徳山)もエンジンは良かった。その後の浜名湖(6月30日~7月5日、優出2着)で夏場の調整のベースをつかめた部分はあります。

-児島の水面の特徴をどう感じていますか? ほとんど賞典レースへ進出されています

吉田 干満の差が激しい部分はあります。ハンドル操作は難しい。逆に言えば、水面が分かっているぶん、地元選手にアドバンテージがあると思います。スタートも難しい。スタートで届かないと思う選手は多いと思います。だからこそ、序盤で点数を稼いで、有利にレースを進めていくことを意識したいですね。

-児島での思い出は? 04年10月にデビュー初優勝を飾っています。

吉田 一番はG1で予選トップ通過した時(12年6月)ですね。準優で1枠になったけど、焦ってしまい優出を逃しました。あの時、今の精神的な部分があれば、と思いますね。浮き足だってしまったことは忘れられない。ただ、今ならメンタルの部分では比較にならないと思っています。

-GP、GPシリーズなど年末に向けての目標は

吉田 そろそろそういう意識を持つ時期かもしれない。とにかく優勝だけを意識してレースをしたい。今回はカヤ(茅原悠紀)もいないし、地元を背負うくらいの気持ちでいきたい。

-西日本豪雨で倉敷市には甚大な被害が出ました。吉田選手自身も多額の寄付をされました。地元への思いは誰よりも強いのでは

吉田 もう寄付のことはそんなに触れていただかなくていいですよ(笑い)。倉敷市民なので、いろいろ思うことはある。本当にいいところです。ぜひ、観光で訪れて欲しい。美観地区もきれいですし、魅力的な場所がたくさんあります。自分はレーサーなので、いいレースをして、舟券を買っていただけるように頑張るだけです。売り上げが復興の財源につながりますから。とにかく1日でも早い復興を信じて、優勝を目指して頑張ります。

◆吉田拡郎(よしだ・かくろう)1982年(昭57)4月18日、岡山県倉敷市生まれ。90期生として02年5月の児島タイトル戦でデビュー。04年10月の児島一般戦で初優勝。14年7月の丸亀オーシャンカップでSG初優勝。今年7月の若松SGオーシャンカップで優出2着。同期に石野貴之、赤坂俊輔、宇野弥生らがいる。170センチ、57キロ。血液型B。