ボートレースは「勝負駆け」の時期を迎えた。戸田ボート開設62周年のG1戸田プリムローズが明日7日から12日まで行われる。シリーズの見どころは年末のグランプリ、クイーンズクライマックス(QC)出場を目指す賞金バトル。さらに9戦士がそろった埼玉勢は戸田周年の地元勢3大会連続Vが懸かる上に、来年3月の戸田クラシック出場権獲得へ必死の走りが続く。大会連覇を狙う中田竜太(30)を中心に、それぞれの意気込みと思惑に迫る。

移り変わる心境が近況成績を物語る。中田は8月中旬以降に、流れを一気に崩した。お盆にボーダー上18位前後だった賞金ランクも23位まで下降(3日現在)。2年連続のグランプリ出場へ、瀬戸際に追い込まれた。

8月には猛スパートを誓った。「今まで気持ちに逃げ道をつくっていた。それが良くない。気持ちの面も技術も調整も全部やって、負ける、勝つならいいけど、勝負どころでしょうもないレースがある。やるだけやったからいいではなく、やるだけやったから結果は残さないと」。勝負は残りわずか。特にSGメモリアル、そして出場するであろう11月のチャレンジCを見据えた。

しかし、丸亀メモリアルは予選敗退。「どこかで大きいのを引っかけないと」と苦笑い。9月の多摩川周年では痛恨のフライングを切った。これでチャレンジカップ出場をふいにした。「今年は厳しいかも…」と弱音を吐いた。とはいえ、11月のF休みまでG1・3節、G2・1節を残し、まだまだチャンスはある。

流れは悪いが、プロペラ調整は悲観することはない。「行き足から伸びは来ることが多い。ペラに手応えはあります」と、一定の感覚は崩れていない。思い返せば肝は「メンタル」と繰り返した。気持ちさえ持ち直せば、昨年の経験、今年序盤の勢いは戻ってくる。

近況の戸田実績は地元勢でも最上位。「戸田は24場で一番です。どこよりも結果を求めてやる」と即答。戸田周年連覇への思いは強い。そして連覇を果たせば自然と年末への道が開ける。「戸田周年のとき、切羽詰まっていたら取りに行きます。焦りはないですよ。まだまだチャレンジャーですから」。今年の始めもそうだったが、良くも悪くも流れは一変するタイプ。メンタルに浮き沈みがあっても、地元に来れば自然と闘志はみなぎる。

◆中田竜太(なかだ・りゅうた)1988年(昭63)4月10日、福島県いわき市生まれ。104期生として09年5月戸田でデビュー。13年9月戸田で初優勝。G1は今年3月の戸田周年など優勝3回。通算優勝20回。同期は妻の浜田亜理沙、松田大志郎、竹井奈美ら。166センチ、49キロ。血液型A。