中川誠一郎(39=熊本)がこん身の8番手まくりで2度目の熊本G3のタイトルを、久留米でつかみとった。8月松戸に続いて今年3度目、通算では7度目(協賛含む)のG3優勝を飾った。

祈りが通じた。中川は3日目の準決を戦い終えて「あとは祈るだけ」と話していたが、流れはまくり一撃を狙う中川にとって最高のものとなった。レースは北日本勢が前受け。関東ラインが中団で中川は8番手。「前になった新山(響平)のやる気も伝わってきたので、8番手からへたに動くより我慢しようと」。新山が横山尚則を出させず突っ張り先行。これが中川の大きな勝因でもある。「番手から平原(康多)が出たのも見えて、冷静に流れに乗れた」。平原のBS番手まくりの上を猛スピードで強襲。上がりタイムが10秒8では、敗れた平原も納得だった。

今年はこれで3度目のG3優勝。「G3の成績は文句なしなんですが特別になると駄目で。気持ちも強く持って競輪祭も頑張りたい」とさらなる活躍を誓った。【井上和久】