鮮やかにダービー王に返り咲いた。節一パワーの守田俊介(43=滋賀)がインからコンマ07のトップスタートを踏み込み、豪快に逃げ切りV。15年の浜名湖ダービー以来、2度目のSG制覇を飾った。賞金ランクも一気に6位に浮上。年末の住之江グランプリ出場に当確ランプをともした。

誰もが注目したピット離れ。3枠石川真二が飛び出さなかった時点で大勢は決したといって過言ではなかった。守田俊介がマイペースのイン取りに成功した。「小回りブイを回ったときに(石川が)インまで取る気で来られたら、どうしようかなと考えた。でも、ピット離れもそうだし、(池田)浩二が壁になってくれて助かった」。想定した位置よりやや後ろから起こしたが、スタートはコンマ07とどんぴしゃのタイミング。スタート巧者の真骨頂をいかんなく発揮した。「外からのプレッシャーもなかったし、自分のターンをするだけだった」。みるみる独走態勢を固めて、平成最後のダービーを締めくくった。

表彰式前に行われた共同会見では、守田ワールドが全開。優勝賞金の使い道については「スティック型のクリーナーを買おうと思う」。レース後は何を食べるかの質問には「回転すし店がそろそろ閉まる時間だし、馬場(貴也)に却下されるから」と答えて笑いを誘った。ただ、2度目のダービー王に輝いたことについては「まさか、こんな僕がSGを2回も、それも40歳を超えてから取れるとは思わなかった」。この時ばかりは感慨深げな表情を浮かべた。

これで15年以来となる2度目のグランプリ出場へ大きく前進。前回は消化不良の内容に終わっただけに、期するものがある。「トライアルの最初はいい感じで走ることができたのに、よく分からないうちに3走目で6着になってしまった」とリベンジへ思いを巡らせた。

今後の目標については「1走1走をしっかり走って、結果を出していきたいですね」。遅咲きの天才肌が、さらなる高みを目指す。【工藤浩伸】

◆守田俊介(もりた・しゅんすけ)1975年(昭50)8月12日、京都府宇治市生まれ。74期生として94年5月にびわこでデビューし、96年8月の平和島で初優勝を飾った。G1優勝は4回。SG制覇は15年10月の浜名湖ダービー以来、2回目。同期には石渡鉄兵、辻栄蔵がいる。171センチ、51キロ。血液型A。