永井大介(41=川口)がトップスタートからそのまま逃げ切り、15年日本選手権(川口)以来3年1カ月ぶり、通算15回目のSG優勝を飾った。SS王座決定戦は08、14年に続き3回目の制覇。これで史上初のトリプルグランドスラムに王手をかけた。2着に高橋貢、3着は鈴木圭一郎が入った。

永井が、冷静に10周回を抑え切った。「トップスタートでいかないと包まれるから」と、最内枠から気合で鋭く飛び出した。

「もう少し大きなコースを走りたかった。腰周りの感触が最近ひと息だった分、(アクセルグリップを)開けて回るのがきついと思って」と、後続を抑える走りを選択した。後続を引きつけてかわさせない絶妙のテクニックも発揮した。

タイヤもエンジン状態も、TR2日目の良かった状態に戻して臨んだ。「試走から感じは良かった」。抜群のマシン状態を駆使して10周回をきっちり逃げ切った。

「2節前の川口最終日にクランク入れて音が出てきた。ここ3カ月くらい突っ込みづらい症状が続いたが、ここに来て気持ち良く突っ込めるようになった」。大みそか頂上決戦間際の整備が当たり、大仕事を成し遂げることができた。

15年日本選手権以来のSG制覇。「若手も出てきてエンジンも乗り手も自信がなかったりして、本当にもう(SGは)取れないと思っていた。自信はなかったが、今日は集中できました」。3年1カ月ぶりのSG優勝に、百戦錬磨の永井もホッとした様子だ。

これでSG15回目の優勝。憧れの人でもあった故片平巧さんに並び、高橋貢に次ぐ歴代2位となった。「うれしいですね」と満面の笑みで喜びを表現。「ウイニングランも多くのファンが祝福してくれて選手冥利(みょうり)に尽きる。来年も1走1走変わらずいきたい」。19年も自然体の走りで存在感を示し続ける。【木村重成】

◆永井大介(ながい・だいすけ)1977年(昭52)1月23日、東京都生まれ。川 口所属の25期生。S級8位。14年にダブルグランドスラム達成。SG15冠。MVP3回(08、13、14年)。通算優勝95回。1着1097回。趣味ゴルフ。 171センチ、48キロ。血液型O。