女子・在校2位の鈴木樹里が、会心のまくりで卒記クイーンの栄冠を手に入れた。

道中は南円佳が先行する3番手。「(最終)1センターで行こう」と、狙いすました2角発進で優勝を決めた。「得意のまくりが出て良かった。感じが良かったので、行けると思っていました」と白い歯を見せた。

中学時代はソフトボールに打ち込み、俊敏な動きでショートを守っていた。転機は中学2年。今でもあこがれる石井寛子を特集するテレビ画面に心を奪われ「選手になる!」と決意。深谷知広や、金子貴志らを輩出した自転車の名門・桜丘高校に進学。すべてはプロになるためだった。

「デビューしたらまくり中心のレースをしたい」。身長152・3センチは、史上最も小柄な女王誕生。それでも師匠の小林信晴は「負けず嫌いなところがあるけど、思った以上にまじめ。それに、小さいけどパワーがすごくある」と素質を評価する。小さな体に熱い闘志を秘めた鈴木が、グランプリ女王を目指す。