師走の大一番、SG住之江グランプリ(GP)とプレミアムG1徳山クイーンズクライマックス(QC)の出場者が出そろった。連載「ROAD TO グランプリ&クイーンズクライマックス」でGP18人、QC12人の全出場選手を紹介していく。

<毒島誠(35=群馬)賞金1位>

苦戦した序盤戦から一転、今年も夏場から波に乗った。「オーシャンカップ(優出3着)ですね。久々にいいエンジンを引けてエンジンさえ出せれば、上に進めるんだと再認識ができました」。これを転機に、8月大村メモリアル、10月児島ダービーとSG連続優勝。低調機や中堅機を絶妙に仕上げ、結果につなげた。

出場は3年連続6回目。そして昨年に続き、賞金トップで頂上決戦に臨む。「今年は重圧はないです。もう(GPを)取るのが目標と言っていいですよね。頑張ります」。黄金のヘルメットへ万全の状態で挑む。

◆GP展望 トライアル2ndから出場する賞金ベスト6が優位に立つ。複勝率上位機が得られる上に、2nd1回戦内枠の利は大きい。15年以降は選出3位までの選手がグランプリを制している。それを踏まえると毒島誠がV最有力だ。今年SG2冠、2年連続の選出1位。リズムも良く初の頂点へ機運が高まる。選出3位の石野貴之は近況充実度で迫る。同4位で大会連覇を狙う峰竜太も好勝負。

【水面特徴】淡水のプール水面。水が硬いため、引き波や返し波による2Mの難しさがよく選手から聞かれていた。ただ、ターン技術の向上などもあり、最近は以前ほどではない。インの強さは有名。冬場はホーム追い風が吹いて、さらにインを優位にしている。

【推奨エンジン】複勝率トップは88号機で実戦タイプ。2位は伸びが強力な78号機。3位の17号機は最多7回の優出を誇る。

 ◇  ◇  ◇

<大山千広(23=福岡)賞金1位>

昨年は惜しくも13位でシリーズ回りとなったが、今年は堂々の1位でクイーンズクライマックス初出場を決めた。5月福岡オールスターでSG初出場を果たすと、8月レディースチャンピオンでは大会最年少で優勝した。大きく羽ばたいた1年となった。「今年はエンジンの引きが良かった。自分の実力以上に結果が残せたと思っている。でも、SGを走って少しは成長できたかな」と振り返った。女子G1連続優勝に向けては「意識はせずレースにいきたい」とあくまで自然体。夏の女王が、冬の大会も制して賞金女王に輝く。

◆QC展望 大山千広と遠藤エミが、トライアル1回戦1号艇で登場する。大山は蒲郡レディースチャンピオンで大会最年少優勝を果たし、19年は大きく飛躍した。遠藤は桐生レディースチャレンジカップで優勝。豪快ターンで17年以来2度目の女王を狙う。松本晶恵は大会連覇を目指す。小野生奈も今年は苦しんだが、地力は間違いなく上位。守屋美穂は徳山で2節連続優出と水面相性がいい。

【水面特徴】全国屈指のインが強い水面。太華山に囲まれた地形のため、ホーム向かい風が吹くことはほとんどない。年間を通して穏やかな追い風なのがインの強さにつながっている。

【推奨エンジン】徳山担当記者おすすめエンジンは、39、74、24、71の4基。特に39号機は11月に佐々木裕美が、地元初優勝を飾った。最近は行き足から伸びが目立つ。74号機は初降ろしから安定して出ている。