G1の6大会に全て出場など、長らくS級で戦い、1月30日付で引退した高橋大作氏(45=東京)の引退セレモニーがバンク内で行われた。

京王閣競輪場は日大時代から乗り込み、99年8月にデビュー戦初勝利を飾るなど思い出が詰まったホームバンク。紺色のスーツに身を包んで現れた高橋氏はファンからの「まだまだやれたぞ」という声を聞きながら、「ここでは、皆さんの声援に背中を押していただいた。感謝しております。ただ、期待に応えられなくなり、心苦しかった」とファンへ謝意と引退に至った心境を話した。

セレモニーでは、高橋氏が挑んだ数々のレースが大型スクリーンに映し出された。ファンから歓声が上がったのは、06年12月に当所で行われた寺内大吉杯決勝。自身もこの際のVゴールを京王閣で一番印象に残る瞬間に挙げていた。

最後は30人ほど集まった選手や関係者から3度胴上げされた。デビューしてすぐ徹底先行で頭角を現し、S級では巧みなさばきと切れ味で存在感を示した。通算1632走で303勝。関東ラインを支えた名レーサーが惜しまれながらバンクを去った。