平成の競輪界を彩ってきた男が1年間の眠りから覚めた。浅井康太(35=三重)が、痛烈まくりで通算26度目のG3優勝を完全Vで飾った。

昨年は、鎖骨1本、肋骨(ろっこつ)9本を骨折。多くの時間をコンディションの改善に費やしても、思うように成績は上がらない。ついにグランプリ出場を逃し、8年ぶりにSS班から陥落した。それでも「自分と向き合える時間があったことはプラスだった」と、復活を見据えて日々の努力を怠らなかった。

G3優勝は、18年12月の四日市以来。「今回は(優勝を)取れるという感覚があった。これを機に何か変わればいい。G1やG2で活躍したいし、いつも見てもらえる選手でいたい」。

富士山が見下ろす静岡バンクで、再び競輪界の頂(いただき)に登る決意は固まった。【松井律】