JKAは8日に新型コロナ感染拡大防止の観点から「6月開催は可能な限り近隣の地区内あっせんにする」と発表した。6月6日初日の久留米G3は中国、四国、九州3地区の選手のみという新鮮かつ斬新な構成だ。S級S班の松浦悠士(29=広島)はこれを歓迎。彼の言葉から「地区内あっせん」のディープな楽しみ方が見えてきた。【取材・構成=松井律】

松浦悠士は地区内あっせんでワンランク上の自分を目指す(本人提供)
松浦悠士は地区内あっせんでワンランク上の自分を目指す(本人提供)

今、最も勢いのある中四国地区を引っ張るのが松浦と清水裕友だ。2人は今年2月のG1全日本選抜でもそろって決勝に進み、松浦の好アシストで清水が初のG1タイトルを獲得した。


これまで血の結束を誇示してきた2人が、ラインがより細分化される「地区内あっせん」では別線で戦うことになる。この戦いの難しさを「僕は清水や宮本隼輔の戦法が分かるし、桑原大志さんや岩津裕介さんには僕の走り方がばれている。手の内が分かった相手と戦うときに、相手の想像の上をいけるかが勝負のポイントになるでしょう」と表現した。


清水裕友
清水裕友

昨年3月の玉野G3で松浦は初日特選と決勝で2度、太田竜馬と別線で戦い、重要なデータを手に入れた。「太田君は後ろを回っていても強いと思うのに、敵になると、より強さを感じるんです」。仕掛けどころが分かる番手では余力を残せるが、別線になるとそうはいかなかった。


では、強さを肌で知る中四国の自力型に、久留米ではどう対抗するつもりなのか。


「もちろん自力で挑みたい。でも、宮本-清水に出られたら、ポイントによっては番手に飛び付かないと勝てないな、なんて頭でイメージしています。今から気になって仕方がないんですよ(笑い)」


清水、宮本、太田以外にも、同期の原田研太朗は特に意識する相手だという。


原田研太朗
原田研太朗

今の中四国で誰が一番強いのか。このガチンコ勝負にファンは胸を躍らせるだろう。そして、その期待を裏切らない走りを見せるのが、松浦という男である。


「競輪は公営ギャンブルだからこそ自治体の財政にも貢献できる。ファンの方々に車券を買って良かったと思われる走りを見せます。清水! ハラケン! 覚悟じゃ!」


「仁義なき戦い 久留米編」は、6月6日に公開される。