長田恭徳(25=山陽)が1周回3コーナーで逃げる青木隆浩を差して抜け出し優勝。初G1優出で初のG1制覇を成し遂げた。2着は有吉辰也、3着に荒尾聡が入った。

走り慣れた地元の山陽走路で、大仕事をやってのけた。「(G1初優出初Vは)できると思ってなかったから、びっくりです。優勝も1回(15年9月、川口)しかしてないし、優勝戦に乗ってもなかなかいい着に入れないし。1周3角先頭? すぐ、うまいこと入れた」。速攻一気で先頭に立ったが、タイトル奪取へはまだ7周回、残っていた。

「そこからは無心でした。無心で走って、あと何周だろうと(周回板を)みたら、「3」と書いてあった。あと3周かぁって。いつも、自分はスタートあまり早い方じゃないんで、最後の6周回で2、3着のレースが多い。なので、あと3周もあると思うと。逃げているのではなく、追っているつもりで走ろうと思ったから、もう後ろはあまり意識してなかった。思い切って突っ込んで、あとは滑らせないように立ち上がって、その繰り返しだと思って」。基本をしっかり繰り返す無心の走りで、タイトルを自らに引き寄せた。

デビューして7年。32期では鈴木圭一郎、吉原恭佑に次いで3人目のG1制覇。「G1は取りましたが、圭一郎とかすごいんで、たまたまですよね。たまたまと言われないように頑張りたい」と気合を見せた。

「次の目標はS級? そうですね。今までは自分がグレードレースを取れるとも思ってなかった。まあエンジン、タイヤをしっかりすれば、優勝もできるんだな、ってちょっと少しの自信だけど、そういうのができた、もうちょっと意識を高くもって、記念レースをいっぱい取りたい」。G1だけじゃなくて、タイトル獲得を意識する。

「レベルアップしたいところは全部ですね。地元G1は取れてうれしいですね。まだ自分は川口で2級車時代に1回優勝しただけ。地元のVも初で、地元で勝てたのはうれしい。ただ1つだけ残念なのは、地元のお客さんの前でウイニングランしたかった。でも、まあテレビの前で見ていてくれたらうれしいなって。まあ、山陽の先輩の皆さんがたくさんいらっしゃるんですけど、そういう人々に負けないように。若さと勢いで、長田恭徳もいるぞっと。いろんな人々にアピールできたらいいな、と思います」。謙虚に、次のステージで活躍する自分をイメージしていた。