師匠への思いを胸に山下渡(37=茨城)が、奮闘中だ。予選5Rは、最終4角最後方から2着に突っ込んできた。これで初日は7場所連続で連対。「レースも見えていたし、ずっと余裕があった。街道練習の成果が出ています」と笑った。

昨年からバンクに入らず、筑波山など街道での乗り込みにシフトして成績を上げてきた。ただ、今開催前だけは取手のバンクに入った。それは8月27日付で引退した、師匠の朝秀忠さんとの最後の周回練習に参加したからだ。「全く聞いていなくて、前回の函館後に『(選手)手帳を返した』って…。手帳を出した当日も、練習をしてから出したと聞きました」。最後の1日まで競輪選手を貫いた師匠が輪界を去って最初の開催。恩返しのためにも決勝、そして優勝を報告してみせる。