中村泰平(24=愛知)が28日の優勝戦の1枠に座る。

予選を1位で通過。この日前半3Rは5コースから3着だったが、レースを見ていた山本修一が「今日(中村は)出足に寄せている…。あれはすごい足だ」と舌を巻いていた。同じレーサー目線だけに、的確な指摘だろう。

準優10Rは1枠で登場。コンマ12(3番手)のタイミングでスリットを駆け抜けると、1Mを回って鬼足と言える出足を武器に、速攻を決めた。

「準優はいい状態でした。乗り心地が来ていたし、スタートも勘通り。伸びがいいし出足、回り足もしっかりしている。ターンの押し感もいい。バランスが取れています。行き足もいいからスタートもしやすい。誰かコースを取りに来ても入れません。深くてもインから伸び返すパワーがある。優勝戦もこの状態で行けたらいい」と舟足に太鼓判を押した。

節間を通して上位級をキープ。超抜と言っていいだろう。今シリーズは伸びだけなら、行き足系の和田操拓や、後伸び系の川北浩貴ら滋賀勢の舟足が目立つ。出足や回り足なら中島孝平や山本修一、前野竜一らが上位。しかし、トータルでは中村の機力にかなう足はなく節一だ。

フライング1本持ちで、あと4日すればリセットされるが、ここは勝負どころ。「大丈夫です。しっかり行って先に回るだけです。(優勝賞金)200万円を取りに行きます」と己に言い聞かせるように話した。

今節はG3サッポロビールカップ。「お酒はあまり強くないので、先輩と飲むくらい」という中村だが、優勝すると副賞としてサッポロビールの「黒ラベル」が贈られる。

「競輪選手の近藤龍徳さんとも仲良くさせてもらっているし、兄弟子の佐藤博亮さんに薦められてはいています」という中村の勝負パンツは、競輪のレーサーパンツをモチーフにしている。そこには光り輝くゴールデンスター。あの「黒ラベル」と同じマークがあった。