寺田祥(42=山口)が、薄氷の逃げで通算8度目のG1制覇を飾った。通算では56度目の優勝となった。

最終日は強いホーム向かい風のため、安定板が付いた。スタート展示から、節一級の伸びを生かす3コース中野次郎を警戒して、2コース長岡良也までも2カドに引いた。寺田はスロー単騎となり、本番も同じく1対5でレースを迎えた。

寺田の仕掛けはコンマ20と、最も遅かった。それでも、スリットから伸び返して先マイ。丸野一樹がブイ際を差してバック迫ったが、執念で押さえ込み2Mを先取りした。「結局、長岡君が壁になってくれたし、1Mでも追い付く足の手応えはあった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

3月のSGクラシック、続く宮島G1と予選トップ通過しながら、準優1枠で敗れた。「まだ(ファンの信頼を)取り戻せてない。これから、どんどん勝っていく」。自信と信頼をさらに回復させ、年末に向けて進撃する。