無観客のナイター開催で第12R優勝戦(10周回)が行われ、青山周平(36=伊勢崎)がトップスタートで逃げ切った。史上6人目、デビュー最短となる10年81日でのSGグランドスラム達成となった。SGは9度目、通算では67度目の優勝。2着は荒尾聡、3着は永井大介が入った。

震えが来るような名勝負だった。勝負どころの1周1角、1枠青山が永井のまくりを受け止め、くるっと小回りして主導権を握ったところから、オート史に残るドラマは始まった。

超抜の仕上がりでまくって先頭を狙う永井に対し、絶妙のコース取りでまくらせない青山。1周4角で3番手にいた荒尾は、永井がわずかに流れた5周3角を見逃さず、内をすり抜けて2番手へ。青山を追いかけ、今度は青山が、荒尾のイン攻めをしのぐ形となった。再三、外に車を振って切り返しを狙う荒尾を、的確にシャットアウト。結果的に、青山が内外自在の走りで史上6人目のSG全冠制覇を成し遂げた。

「(SGグランドスラム達成は)めちゃくちゃうれしい。グランドスラムは自分には高い目標だし、できないと思っていた。チャンスはいつかくるのかな、ってそれくらいに考えていた。歴史に名前が残ってうれしい。泣きそう。久しぶりの優勝だし、スタートも切れたのもうれしい」と素直に笑顔で喜びを表した。

レースについては「スタートは(永井大介選手に)少し行かれたけど、枠が助けてくれた。エンジンも良くなったのかな。ただ、ペースを上げると厳しいかなって、試走で雰囲気があったので締めて走った。(10周回は)長かった。やられちゃうかなと思った。誰かは迫ってくるだろうとは思っていた」。レース後のCS放送インタビューでは「(師匠の)仲口武志さん、グランドスラムできました!」と、デビューから見守ってくれた師匠に感謝の言葉も述べた。

これで18年から4年連続のSG制覇も達成。全国ランク1位をひた走るオートレース界のトップライダーは、もちろん11月の日本選手権、12月末のスーパースター王座決定戦と続くSGロードでも、主役の座でファンを沸かせる。