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「SSに似てる」アイルハヴアナザー来た

放牧地を走り回るアイルハヴアナザー
放牧地を走り回るアイルハヴアナザー

 ベルモントS直前に故障し、種牡馬入りが決まった米2冠馬アイルハヴアナザー(牡3)が7日、繋養(けいよう)先の北海道新冠町・ビッグレッドファームに到着した。購入を決めた同グループ代表の岡田繁幸氏(62)は、同じ米2冠馬で日本の血統図を塗り替えたサンデーサイレンスの名を引き合いに出して期待を高める。大物産駒登場となるか。生産界からも大きな注目が集まっている。

 朝方から降り続いていた雨が上がった午前8時30分、幻の3冠馬アイルハヴアナザーがその姿を現した。引き締まった栗毛の馬体に鋭い目つき。7月19日に成田で検疫入りし、6日午前に新冠へ向けて出発。約1日の長距離輸送を終えたばかりだが、疲労の色は見せず、約1時間後には放牧地を駆け回った。

 様子を見守った岡田繁幸氏は「やっぱり素晴らしい馬だ。手先まで神経が通っているし、可動域が大きい。これは芝馬タイプだよ。直接見るのは初めてだが、購入できて本当に運が良かった」と声を弾ませる。1000万ドル(約8億円)で購入した期待の種牡馬。16年の産駒デビューへ向け、まずは大きな1歩目を踏み出した。

 確信がある。自らレース映像を確認した瞬間に衝撃を受けた。「これはすごい、何とかして手に入れなければと思ったんだ。体形、つなぎの長さ、飛節の角度。どれを見てもダート馬ではないのに、砂で強い勝ち方をしていた。よほど強い筋肉がなければできないこと。しかも、強靱(きょうじん)な収縮力と柔軟性も兼備していた」と目を輝かせる。そして「血統は全然違うが、サンデーサイレンスによく似ているよ。こんな馬はなかなかいない。1100万ドルでも1200万ドルでもいいから絶対に買ってくれと言ったんだ」と決断の瞬間を振り返る。迷いはなかった。何十本という、あらゆる場面の映像を確認した上での判断だった。

 順調ならば34年ぶりの3冠に手が届いていた可能性もある歴史的名馬の日本行き。生産界でも関心は高く、既に1口1600万円のシンジケートは70口すべてが完売した。「仮に3冠を取っていたらアメリカの世論が日本行きを許さないでしょう。そんな馬が日本に入るということ自体が信じられないこと」と繰り返す。だからこそ大きな責任も感じている。

 「これだけの馬なので、アメリカなど海外に挑戦する産駒を出して、真価を証明しなければいけない。そして世界中から日高のセリに買い手が集まるように、客寄せにならなければならない」と決意を新たにする。

 年末から年明けに試験種付けを行った後、順調ならば来年度から種牡馬となる。「まずは産駒を送り出すことが第一だが、この馬で日高の流れを変えたい」と岡田氏。産駒のデビューが待ち遠しい。【松本岳志】

 ◆アイルハヴアナザー 米国のケンタッキー州で生産され、オニール師のもと、11年7月にデビュー。6戦目のケンタッキーダービーを勝つと、続くプリークネスSも快勝。ベルモントSで34年ぶりのクラシック3冠制覇がかかったがレース直前に左前脚の浅屈腱炎を発症して引退。父フラワーアリーはトーセンラー、スピルバーグらの半兄。馬名の由来は「もう1個ちょうだい」。

 [2012年8月8日8時46分 紙面から]




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