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1月から新ルール「降着、失格」減少も

 来年1月1日から、JRAの降着・失格のルールが変更される。海外競馬主要国の考え方を踏まえ、レース中のパフォーマンスや到達順位がより尊重されることになる。新判断基準では降着・失格は減る可能性が高く、過去G1で3回あった1位入線馬の降着もセーフと判断されたとみられる。また、審議ランプの運用も見直される。

 来年からJRAの降着・失格の基準が変わる。1月1日の新判断基準導入後は、現在よりも降着や失格になるケースは減る可能性が高い。

 現行ルールでは『加害馬(以後A)の走行妨害が被害馬(以後B)の競走能力発揮に重大な影響を与えたと裁決委員が判断した場合に、AはBの後ろに降着』になる。だが、新制度では『走行妨害がなければBがAより先着していたかどうか』が判断基準になる。つまり、走行妨害を受けたBが他の馬にも抜かれ、Aより大きく遅れてゴールした場合は、降着には当たらず、到達順位通りに確定する。

 91年の降着制度導入後、G1で1位入線馬が降着になったケースは3回あるが、いずれも被害馬に決定的と判断できる差をつけていた。

 6馬身突き抜けていたメジロマックイーン(91年天皇賞・秋)、無傷の6連勝を飾ったかに見えたカワカミプリンセス(06年エリザベス女王杯)、最後の脚色が際立っていたブエナビスタ(10年ジャパンC)は、新ルールでは降着に当たらず、1着で確定したとみられる。

 また、現状では走行妨害によりBが落馬・競走中止となった場合は、Aは必ず失格となっていたが、今度は(1)極めて悪質で他の騎手や馬への危険な行為があり、かつ(2)競走に重大な支障を生じさせた場合の、2つの条件をいずれも満たしたと判断されない限りは、落馬があっても失格にならない。

 91年の降着制度導入以降では、久々に大きなルール変更。ルール上は「多少ラフプレーをしても勝てばいい」とも、とらえられかねないが、JRAでは「着順変更や失格はなくても、加害馬の騎手には今まで以上に厳正な制裁を科す。騎手側からも、制裁強化は大前提でと言われている」と話しており、より一層、公正で安全なレースの維持に力を入れていく。なお、地方競馬では来年4月をめどに同じ新ルールを導入予定となっている。

<過去の事例>

 ◆10年ジャパンC・VTR シンゲンが作り出すゆったりとした流れから、直線は一転して激しい追い比べに。大外から1番人気ブエナビスタが抜け出したが、その際に内に切れ込み、他馬の進路を妨害したとして審議対象に。このとき、2位入線したローズキングダムも大きな不利を受けポジションを下げていた。審議の結果、ブエナは2着降着となり、キングダムが繰り上がり優勝となった。

 ◆06年エリザベス女王杯・VTR シェルズレイがハイペースで逃げる縦長の展開。4角付近で3番手以下がスパートを開始し直線へ。馬群を縫うようにして抜け出したカワカミプリンセスが先頭でゴールした。だが、抜け出す際に本田騎手の左ムチに過剰に反応し内側によれたことが審議対象となり、12着に降着。外を回って2着に食い込んだフサイチパンドラが繰り上がりで優勝。

 ◆91年天皇賞・秋・VTR 13番枠からゲートを飛び出したメジロマックイーンが積極的に先手を主張し最初のコーナーへ。鞍上の武豊騎手が手綱をしごきながら内に切れ込み、行き場を失った馬が落馬寸前になったり横を向いたりと、大きな不利を受けた。その後は3番手からスムーズにレースを進め、後続に6馬身差をつけて1位入線したが、18着に降着。2位入線のプレクラスニーが繰り上がりで優勝となった。

<世界的に統一へ>

 ◆ルール変更の経緯 JRAは、国際競馬統括機関連盟(IFHA)が競走ルールの国際協調を目的に設置した「裁決事項の調和に関する委員会」に07年から参加し、「シンプルで分かりやすく、より合理的な」基準の導入を検討してきた。今回の動きは英国、アイルランド、香港、オーストラリア、ニュージーランドなど海外競馬主要国の考え方を踏まえ、世界的にルールを統一していこうというもの。同基準に適合していないフランスも、今後基準の変更を検討することを明言しており、州により基準が違いルール統合が難しいとされる米国でも、重賞を中心に勝ち馬の到達順位はなるべく変更しないのがトレンドとなっている。

 今年6月に小島茂調教師が、JRAに不服申し立てをした件は「走行妨害そのものがあったか、なかったか」が論点。裁定委員会では「走行妨害はなかった」とした。降着・失格の基準を変更した今回の動きとは関連はない。

 [2012年10月31日9時28分 紙面から]




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