<リオデジャネイロ五輪最終予選兼U-23アジア選手権:日本2-1イラク>◇準決勝◇26日◇ドーハ

 植田の存在が大きかった。後半、我慢し切れたのは、彼が最終ラインでほとんどのボールをはね返していたから。他の選手は、最終ラインで頼れる選手がいると、余裕を持ってプレーできるし、自然とチーム力が上がる。ラインコントロールも繊細で、相手は縦パスを出しづらかったと思う。

 もう1人、遠藤の存在も大きかった。ボール奪取力が群を抜いていた。流れを読む能力が高いため、相手の攻撃のムードを断ちきることもできる。この2人は、すぐにでもA代表で欲しい戦力で、近い将来にレギュラーの座を奪う実力を備えている。順調に育てば、間違いなく2年後のW杯ロシア大会では、それぞれのポジションで主軸の選手になっているだろう。

 気になったのが、南野のプレー。全員が1つになってやろうとした一戦で、1人だけ相手と競り合うのを嫌っていたし、球際も弱く、戦っているという感じが伝わらなかった。期待しているからこそ、言いたい。エースという自覚があるなら、エースらしいプレーをピッチ上で見せないといけない。それは、華麗なプレーとは限らない。足がつるほど、必死でボールを競ってこそ、みんなが認めてくれる。(日刊スポーツ評論家)