酒井高徳のボランチ起用には疑問符が付く。経験を積んでサッカーを知っていて、さらに高い技術が要求されるポジション。酒井高徳は、守備では高い身体能力でなんとか踏ん張れたが、攻撃時は組み立てができず、詰まった時はバックパスを多用した。負傷者が出てやむを得ない選択だったかもしれないが、それなら山口1人をボランチにして、トップ下に香川と本田を並ばせた方が、もっとスムーズに展開できたし、格下のタイに、あんなにシュートを打たれることもなかった。

 以前にも不可解なボランチ起用があった。昨年9月のUAEとの初戦では途中から原口をボランチで投入して得点を狙ったが、ドリブル突破を得意とする原口が、そのポジションで生きるはずがない。相手のレベルが少し高くなると、下手なボランチの起用が命取りになることもある。(日刊スポーツ評論家)