<国際親善試合:日本1-1シリア>◇7日◇味スタ

 ハリルホジッチ監督体制になってから、すっきりしない試合が多かった。原因はゲームを作る遠藤(G大阪)に代わる選手が台頭しなかったから。その停滞感を解消してくれたのが、シリア戦での本田のポジション変更だった。香川の負傷もあって、後半から右インサイドハーフ(2列目の右)で左の倉田と並んだ。

 試合後のDF吉田の言葉が印象的だった。「彼(本田)がそこに入ってボールが落ち着いた。FWと中盤がつながった感がある」。実際後半からボールが前線に入るようになった。中盤でボールが収まり、長友らサイドの選手も高い位置が取れ、得点機会が増えた。

 イラク戦は勝つか負けるかで、W杯への道が大きく左右する。しかもより高い精神力が求められるアウェー戦。シリア戦のようにぬるい空気で試合に入ると、足をすくわれる。メンタルの強い本田が、遠藤の代わりを務めることができれば、W杯への道はおのずと見えてくる。(日刊スポーツ評論家)