<ワールドカップ(W杯)ロシア大会:日本2-2セネガル>◇1次リーグH組◇24日◇エカテリンブルク

 1点目は、スカウティングが生きた。初戦のセネガル-ポーランド戦を見て、右サイドのワゲの裏が狙い目と感じていた。その後、ある選手とメールした。「セネガルはあまり隙がないね。でも、ワゲのところは狙えるんじゃない?」と送ったら「そうですね。狙い目です」と返ってきた。日本代表もそこが狙い目と定めたのだろう。作戦通り、前半34分に長友が攻め上がって、乾の同点ゴールが生まれた。

 2度追い付いて勝ち点1を取った。立派な戦いぶりだ。欲を言えば、選手交代のタイミングを少し早めれば良かったと思う。今度は中3日のポーランド戦。途中で運動量が落ちた香川と乾は、疲労感を軽減させた方が良かった。違うサッカーを試す時間が短かったのも気になる。

 チームは完全に柴崎中心に動いていた。中盤で柴崎がいい体勢でボールを持つと、ほとんどの選手がどんどん追い越して相手の背後を狙っていた。あの動きは得点の可能性も高まるが、リスクも大きい。パサーを信用しないとできない。パス能力の高い柴崎が存在感を出してきたことは、チームとしても大きい。決勝トーナメントへ、好材料だ。(日刊スポーツ評論家)