鳥栖MF原川が、新天地でキッカーとしての才能を示した。2月25日の柏戦でJ1初ゴールを直接FKで記録すると、3月11日の広島戦でも直接FKで決勝点をマークした。鳥栖のJ1直接FKゴールは、MF藤田(現神戸)MF水沼(現C大阪)に次いで3人目。昨季はチームとしてFKゴールが1点もなく、クラブ待望のキッカー誕生だ。

 昨季所属の川崎FではFKを蹴る機会が1度もなかった。だが、FKは京都ユース時代に「武器になると確信した」という。だからこそ広島戦の直接FKも「追い風でキックを信じた」。ゴールまで約30メートルの距離でも自信を持って決めた。

 J1通算3得点目まですべてFKとなれば、93年の市原MFリトバルスキー、05年の新潟DFアンデルソン・リマに次いで3人目の珍しい記録となるが、「FKを警戒してくれたら相手もエリア付近でファウルしにくくなる」。マークが甘くなれば、今度はリオ五輪出場を決定付けたときのようなミドルシュートが威力を発揮する。

【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)