19年12月、指示を出す広島GK大迫
19年12月、指示を出す広島GK大迫

再開まで待ち切れない。新型コロナウイルスの影響で今シーズンのJリーグは2月23日の試合を最後に中断していたが、J1は7月4日、J2は6月27日から再開することが決まった。スポーツのデータを重視する日刊スポーツでは、これまでの好記録や今季達成されそうな記録など知っておいて損はないJリーグの注目すべき数字を取り上げ、数々の見どころを随時紹介します。第1回は次世代の日本代表守護神、サンフレッチェ広島GK大迫敬介(20)を取り上げます。

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20歳の広島GK大迫がJリーグの公式記録であるGK通算防御率でJ1歴代トップの座に就いている。2月23日のJ1開幕節鹿島戦(Eスタ)でフル出場し、3-0の完封勝利に貢献。J1通算の出場時間は2700分(30試合フル出場)となり、GK通算防御率の規定出場時間に到達した。通算の失点数は24点で、1試合90分換算の失点は0・80点。00~03年に磐田の黄金期を支えたGKヴァン・ズワムの0・89点を抜いて首位に躍り出た。

持ち味はシュートストップだが、日本代表の森保監督は「DFと連係し、いかに楽にGKに飛ぶようにするか練習しているはず」と評価する。サッカー分析会社「データスタジアム」の集計によれば、相手の前方へのパスに飛び出して「キャッチ」した回数は昨季のJ1で最多85回。抜群の判断力と守備範囲の広さで、相手の決定機の芽を摘む。

01年からJリーグの公式記録に採用された「GK通算防御率」において、20歳以下で規定の2700分出場に到達は史上6人目(公式採用前含む)。過去の5人は全てA代表招集歴があり、うち4人がオリンピック(五輪)本大会で正GKを務めた。大迫には1年延期になった東京五輪だけでなく、次世代の日本代表守護神としても期待が懸かる。

【構成=石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)