久保が日本の攻撃をけん引した。エクアドル戦でフル出場し、シュートに結びついた「ラストパス」は両チーム最多の7本。日本の合計13本のうち1人で半分以上を占めた。複数回は久保だけで、国際Aマッチ初のフル出場だった17日のチリ戦の1本を大きく上回った(データスタジアム調べ)。
相手ゴールを常に意識してプレーしたことがうかがい知れた。味方のパスを「トラップ」した回数は計31回あったが、最初のトラップ後にボールがどの方向に移動したかを前後左右、4分割して見ると、前方が17回と全方向の55%を占めていた。相手のプレッシャーをより受けるトップ下の数字として異例。後方にトラップしたのは1回(3%)だけだった。チーム全選手のトラップ方向(後方が13%)と比較すると、その違いがよく分かる。
後半45分、中島の縦パスを巧みにトラップして前を向き、前田に絶妙のスルーパスを送った。久保は中島のパスを受ける前に周囲を確認し、次のプレーへ移りやすいようにボールを相手ゴール方向に動かした。その一連の動作は実にスムーズ。あとはFWが仕留めるだけだったのだが…。【石川秀和】