ウズベキスタン戦の前半、同点ゴールを決める武藤(右)(2019年1月17日撮影)
ウズベキスタン戦の前半、同点ゴールを決める武藤(右)(2019年1月17日撮影)

日本がウズベキスタンに逆転勝ちをできたのは、前半43分の武藤の同点ゴールがすべてだと言える。

失点からわずか3分後でハーフタイム突入目前だった。仮に日本が後半も1点を追う立場だと、相手はより守備を固めてカウンター攻撃に徹してきたはず。日本は前がかりになり、さらに失点を重ねた可能性もあり、心身とも最悪の状況に追い込まれていたはずだ。想定外のゲームプランにさせなかった意味で大きな1点だった。

もともと武藤という選手は潜在能力が高く、約3年間在籍したドイツでもサイドからのクロスに対応する力を確実につけていた。この日も室屋の右クロスを4、5人のDFに囲まれながらしっかり決められたのは、本人のポジショニングを含めて心の準備ができていた証拠だ。

一方で現在の日本のFWは大迫が中心で、南野や堂安らが中央で崩してくるパターンが多い。サイドからの対応に安定感のある武藤も、中央から同じように自ら崩したり、得点できるかが課題になってくる。武藤が主力組と呼ばれる選手らとコンビネーションを発揮できれば、ベンチは大迫と武藤のどちらを使うか悩んだり、2人を同時に起用することも可能だ。選択肢に幅が生まれ、うれしい悩みになる。(日刊スポーツ評論家)