ベトナム戦の前半、VARでノーゴールになるがすぐに切り替え選手たちに声をかける吉田(撮影・横山健太)
ベトナム戦の前半、VARでノーゴールになるがすぐに切り替え選手たちに声をかける吉田(撮影・横山健太)

今大会を通じて言えることだが、日本の選手の表情がすごくいい。喜怒哀楽を激しく表現するのではなく、目の前のプレーに集中するような、いわば淡々とした表情が多い。

ベトナム戦で言えば、例えば前半、VARで得点が認められなかった吉田、自陣での連係ミスで失点危機を招いた権田らに何も慌てる様子はなかった。そこに研ぎ澄まされた集中力、たくましさを感じた。

これにベトナムは驚いたと思う。この日の試合会場は芝の状態が悪く、重馬場を得意にするベトナムには有利で、日本には不利だと思っていた。実際に前半はその通りだったのに、日本はダメージをベトナムに感じさせず、後半は日本が逆に持ち直した。森保監督の普段からの、選手へのちょっとした会話や指導のたまものだろう。

今大会は悪いサッカーをしていても、試合中に改善できるケースが多いように思う。国際大会において、感情のセルフコントロールやプレーの自浄作用がないと優勝はできない。その意味で日本には大きな合格点が与えられる。

プレーで反省を求めるのなら、2列目の選手の動きだろう。ゴールを背に球をもらう場面が多く、流れの中でなかなか得点に結びつけられなかった。次のプレー、例えばドリブル、スルーパス、シュートなどへの動作にスムーズに移行するためにも、背後の視野を確保した半身のプレーを増やしていきたい。(日刊スポーツ評論家)

ベトナム戦で競り合う南野拓実(撮影・横山健太)
ベトナム戦で競り合う南野拓実(撮影・横山健太)