<W杯アジア2次予選兼アジア杯予選:日本5-0シリア>◇E組◇29日◇埼玉

 原口や清武らの台頭で層の厚みを増した攻撃陣に比べ、守備面での上積みのなさが気になった。E組で日本に対抗できるのはシリアだけで、それなりに強い相手だとしても、カウンターを食らい、あわやという場面が4~5回もあってはいけない。GKのファインプレーに助けられたが、守備陣が相手のフィジカルに負け、ボールをキープされ、シュートまでもっていかれる場面が多かった。

 右サイドバックの不安も解消されていない。酒井高は動き自体は良かったが、シュートを外しまくり、クロスの精度も低かった。守備では特に後半、酒井高のところから相手の攻撃を許していた。結局、酒井宏とどちらが出ても内田のレベルにはないということだ。

 2次予選を勝ち抜いたのは日本、韓国、オーストラリア、カタール…と、常連国ばかり。結局、W杯アジア予選は、最終予選からが本当の戦いなんだ。2次予選では政情不安のためにアウェー2試合を中立地で戦えたが、次はそれもない。日本は組み合わせで有利になる第1ポットを外れることも決まった。守備面の弱さも含め、不安要素は結構ある。(日刊スポーツ評論家)