<W杯アジア最終予選:日本2-0タイ>◇B組◇6日◇タイ・バンコク

 弱い相手と戦うと、自分たちが強くなったと錯覚する。だから、冷静に分析しなければならない。初戦で負けたUAEと比べて、タイはあまりに球際の激しさに欠けていた。だから日本は自分たちのプレーができた部分もある。日本より体格の良い中東勢やオーストラリアと戦った時、同じような戦いができるかな?

 本田や香川ら海外組は普段から当たりの激しいリーグでプレーしており、球際の弱さは克服しているように思えるかもしれない。だが本田はクラブでの出場機会が少なく、香川は周りが頑張るドルトムントでこそ輝く選手。今日のように「自分が」という試合ではいつも不発だね。

 代表で一番球際に強い岡崎ですら、クラブでは定位置確保にあと1歩だ。日本が球際の強さで中東勢やオーストラリアを上回るには、まず海外組がクラブでレギュラーとして常時出場することが必要になってくる。また、タイ戦で再び浮き彫りとなった決定力のなさなど他の課題も山積みだ。当然、選手の間でも「今日、勝ったからうれしい」っていうのはないだろう。(日刊スポーツ評論家)