ワールドカップ・ロシア大会も約1カ月後に迫り、メンバー選出が注目される時期になった。18日には親善試合ガーナ戦に向けた日本代表メンバーが発表される。はたして何人選ぶのかな? 僕はきっちりワールドカップ用の23人を発表すべきだと思う。

 西野朗新監督になって、残り時間の少ない中だからこそだ。ガーナ戦を選考のための試合にするのではなく、本番に向けた準備にしてほしい。今ごろ選手を試したり、比較する? 前技術委員長の西野氏は、最も日本代表や選手を知っているからという理由で、新監督に就任したはずだ。

 FIFAに予備登録する代表候補は35人までで、仮に故障者が出たら入れ替えはできる。本大会まで親善試合はガーナ戦を含めて3試合で、そのうち1試合を無駄にするのはもったいない。そもそも事前に「大枠」で選手を選び、ガーナ戦後に23人に絞り込むというのは、ハリルホジッチ前監督がやろうとしていたこと。同じ形では西野監督の色が出ない。

 それともいきなり先発11人を発表したら、混乱でも起きるのだろうか?

 もちろん悩みはあるだろう。守備陣はともかく、攻撃陣では差をつけている選手がいない。違いを見せられる選手がいない。

 欧州主要リーグも終盤となり、中島(ポルティモネンセ=ポルトガル)、久保(ヘント=ベルギー)、森岡(アンデルレヒト=同)らが「今季2桁得点」と話題になっているが、リーグのレベルにばらつきがある。プレミアリーグで10点取るのとは違う。また中島にしても武藤(マインツ)にしても、シーズン通してコンスタントには得点できていない。そこが今の「海外組」の弱いところだ。本当のトップクラブからはオファーは来ない。

 「今季2桁得点」は日本向けのニュース。映像も編集したら、誰でもうまく見えるんだ。失敗した部分はカットされる。「起点になった」というのは、直接はゴールに絡めなかったということ。アシストまでは評価できるが、攻撃陣で「起点」は意味がない。海外組について、さも活躍しているように錯覚させられているのが現実だ。

 攻撃陣が整っていないということは、得点力が低い=勝つ確率が低いということだ。(日刊スポーツ評論家)